読解力が7分で判断できます。 中学3年生・高1初級レベル編

この記事の反響が多かったので、中3レベルの読解力の判断用の問題をご用意いたしました。

正解の「根拠」と不正解の「根拠」が説明できれば、大丈夫だと思われます。


問題文

以下の文章を読み、設問に答えなさい。


文章
私たちが「自由」と呼ぶものは、しばしばその定義を見失う。一般には、自由とは「他者からの干渉を受けず、自らの意思で行動できること」を指す。しかし、このような自由が完全に成立する社会は、ほとんど存在しない。社会の中で生きる以上、私たちは互いに影響を与え合い、時には制約を受ける。それゆえ、自由を追求する際に問われるべきは、「自らの意思を貫くために他者の自由をどの程度許容できるか」という点である。
たとえば、ある人が自分の表現の自由を主張する一方で、その自由が他者の尊厳を侵害する場合がある。ここで重要なのは、自由そのものの価値を無条件に肯定することではなく、自由の範囲と制約の線引きをどのように行うかという問題である。言い換えれば、真の自由は「他者との共存」を前提とした自由であるべきなのだ。自由を単なる「自己実現の手段」として捉えるのではなく、「他者との共存を可能にする責任」として捉えることが、現代社会において求められる視点である。


設問

  1. 筆者が述べる「真の自由」の定義に最も近いものを以下の中から選びなさい。
    A. 他者に一切干渉されない行動の自由
    B. 他者の自由を侵害しない範囲での自己実現
    C. 自己実現を優先しつつ他者と対立する自由
    D. 他者との共存を前提に行動する自由
  2. 本文中で筆者が「自由の範囲と制約の線引き」を重視している理由として最も適切なものを選びなさい。
    A. 自由が無制限に拡大すると社会秩序が崩壊するから
    B. 自由の線引きによって社会的な平等が達成されるから
    C. 自由を他者との共存の中で調整する必要があるから
    D. 自由が個人の幸福の追求を妨げる場合があるから
  3. 本文の筆者の主張に基づいて、次のうち最も適切でないものを選びなさい。
    A. 自由には他者の自由との調整が必要である
    B. 自由は責任を伴うものである
    C. 自由を追求することは他者の尊厳を無視することに繋がる
    D. 自由を単なる自己実現の手段と捉えるべきではない

解答と解説


設問1:正解 D

正解の根拠:
本文では「真の自由は『他者との共存』を前提とした自由であるべきだ」と明記されています。これにより、選択肢Dが筆者の主張を最も正確に表しています。

不正解の根拠:

  • A. 他者に一切干渉されない行動の自由
    → 本文では「社会の中で完全な自由は成立しない」と述べられており、選択肢Aは誤りです。
  • B. 他者の自由を侵害しない範囲での自己実現
    → 部分的には正しいですが、「自己実現」が本文で重視されておらず、選択肢Dのほうが適切です。
  • C. 自己実現を優先しつつ他者と対立する自由
    → 他者と対立する自由は本文の主張と矛盾しています。

設問2:正解 C

正解の根拠:
筆者は「真の自由」を「他者との共存」と結びつけており、自由を調整することの必要性を強調しています。これにより、選択肢Cが最適です。

不正解の根拠:

  • A. 自由が無制限に拡大すると社会秩序が崩壊するから
    → 筆者は社会秩序の崩壊については触れておらず、選択肢Aは本文に基づいていません。
  • B. 自由の線引きによって社会的な平等が達成されるから
    → 本文では平等の達成について言及していないため、選択肢Bは誤りです。
  • D. 自由が個人の幸福の追求を妨げる場合があるから
    → 筆者は個人の幸福についてではなく、「共存」の視点を重視しています。

設問3:正解 C

正解の根拠:
筆者は「自由を追求することが他者の尊厳を侵害する場合がある」と述べていますが、それが常に無視することに繋がるとは述べていません。選択肢Cは極端な解釈であり、筆者の主張とは異なります。

不正解の根拠:

  • A. 自由には他者の自由との調整が必要である
    → 本文の主張と一致しています。
  • B. 自由は責任を伴うものである
    → 本文で「自由は『責任』と結びつく」と述べているため正しいです。
  • D. 自由を単なる自己実現の手段と捉えるべきではない
    → 本文の主張に完全に一致しています。

ポイント

このレベルの現代文問題では、正解だけでなく「本文で言及されていない」「部分的に正しいが不十分」といった理由で不正解を判断する力が求められます。設問ごとに本文と照らし合わせ、論理的に根拠を整理する練習を重ねることが得点アップに繋がります。

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