11月を過ぎると、受験本番が近づくなかで、すでに「浪人を決意した」という高3生が現れ始めます。
その理由は大きく3つに分かれます。
- 部活を夏まで頑張りすぎて、エンジンがかからなかったケース
- 模試や過去問の結果で、自分にはもう1年必要だと悟ったケース
- 総合型選抜(AO入試)一本に絞って、小論文しか対策してこなかったケース
どのケースも「本気で頑張った結果の選択」であり、逃げではありません。
しかし、ここで一つだけ注意してほしい落とし穴があります。
「3月までは遊ぶ!」が、最大の遠回りになる理由
浪人を決めた多くの生徒が、こう言います。
「もう今年は終わったし、3月までは遊んでリセットする!」
確かに、ここまで頑張ってきた自分を労う気持ちはわかります。
でも、冷静に考えてください。浪人生活は「もう1年受験生として走る」ということです。
つまり、来年の今ごろには再び受験本番。
そこから逆算すると、3月まで遊ぶという4か月の空白は、受験カレンダーの3分の1を捨てることになります。
この4か月の差が、浪人生同士の中で“明確な差”になります。
春に予備校へ入学してからスタートする浪人生と、今日から基礎を積み上げる浪人生。
この差は、夏の模試で偏差値10〜15にもなって表れます。
「浪人スタート=リセット」ではない。「積み上げ直し」だ
浪人を決意した今、あなたがやるべきことは“ゼロからやり直す”ことではありません。
むしろ、これまでの受験勉強を“素材”として、何が足りなかったのかを可視化し、修正していくことです。
浪人の成功パターンは、単純です。
- 現役時代の勉強量は十分だった
- でも、やり方・戦略・時間配分がずれていた
- それを「早めに修正」できた人が合格する
この「早めに」という部分こそが、最重要ポイント。
4月から予備校に通い始めて、授業に慣れ、ペースをつかむまでに2か月。
そこからようやく本格スタートでは、あっという間に夏です。
そのとき、「もっと早く始めておけばよかった」と思う浪人生を、私たちは毎年見てきました。
今すぐできる「浪人準備の3ステップ」
では、今日からできることは何か。
難しいことではありません。3つだけです。
- 現役時代のノート・教材を整理する
どの科目が「理解不足」だったのか、「手が止まったのはなぜか」を振り返る。 - 1日30分でいいから“勉強のリズム”を取り戻す
遊びをゼロにしろとは言いません。
ただ、毎日机に向かう習慣を空白にしないこと。人間は、サボるとすぐ「やらないリズム」が定着します。 - 浪人の1年を“成長の時間”に置き換える
浪人は「敗北の延長」ではなく、「準備の再構築期間」。
大学受験だけでなく、自分の生活・時間管理・目標意識を立て直せる貴重な年です。
保護者の方へ:いま必要なのは“再出発の環境づくり”
浪人を決意したお子さんを前に、不安を抱える保護者の方も多いと思います。
ただ、今このタイミングで最も大切なのは、「励まし」よりも「環境整備」です。
- 勉強時間を決めるルールを家族で共有する
- 朝型の生活リズムを維持する
- 家庭内で“受験はもう一度始まっている”空気を作る
このサポートがあるだけで、浪人生のスタートはまるで違います。
浪人生活を支えるのは、「本人の覚悟」だけでなく「家庭の支え」です。
「今日から始める」浪人が、来年の主役になる
浪人を決めた今こそ、スタートダッシュの最大のチャンスです。
受験勉強は、始めた瞬間から未来を動かすもの。
「3月から」「予備校が始まってから」と先延ばしにするより、今日1時間でも机に向かった人が、すでに一歩前に出ています。
1年前のあなたを超える1年にするかどうかは、この冬の行動次第。
浪人は“再挑戦”ではなく、“再設計”の時間です。
今日という日が、未来の合格の「最初の1日」になりますように。
🟢 まとめ:浪人を決めた瞬間から、勝負は始まっている。
「3月までは遊ぶ」は、ただの延命。
「今日から始める」は、未来を変える最初の選択です。

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